5月の半ばにフランスに来てもう年末でなにも出来ないまま約7ヶ月が経ってしまったというのが正直なところで、自分はおいしいワインと食べ物を食べて日々安楽に暮らすだけでは満足出来ない人間なんだということを実感しています。もちろんパン屋をするにあたってはフランスのパン屋で実際に働き、毎日パンを食べて生活しているので、とても良い経験になっているが、いったい何が足りないんだろう。
などということを悶々と考えたりしているので、手紙を出そうにもイマイチ筆が進まず、音信不通でもないけれど、届いたメールも返せず、というような状態です。苦し紛れにインスタグラムに写真をアップしているのでチェックしてみてください。
こちらの風景はやはり美しく、住んでいる田舎の村でも歩いていて立ち止まるようなこともしばしばあって、ここにずっといたいななんて思うこともあるけど、そんなとき同じように思い浮かぶのはけだるい夏の暑い日に縁側にこしかけて吊るしてある風鈴の音を聞くなどといった失われつつある日本人的ノスタルジーです。
帰りたい帰りたくないに関わらずビザは5月でいったん切れるのでヨーロッパのシェンゲン協定加盟国の中にいられるのは5月までで、2月で仕事を辞めることを働いているパン屋には伝えてあり、そのあとはフランスの他の地方やフランス以外のヨーロッパの国々を出来る範囲で見て回れたらなと思っています。旅のテーマとして食べ物というキーワードは大きくあるけれど、その後ろにあるものにもっと敏感に、残りの期間を過ごしていきたいなと思っています。